2010年7月23日金曜日

患者さんのところにいかない研修医 つづき

患者さんのところにいかないことで、医師として不安にならないのだろうか?と思う
きっと、ならないのだろう。
瞬く間にCTやエコーといった、体の中がみえてしまう、画像をもちいた検査が広がってきた
百聞は一見にしかず、とはよくいったもので、複数枚の画像を手にいれてみると、
何もかもがわかった気になるほどのいろいろな情報が手に入る。

ああいう画像をみていると、自分自身の手をつかっての診察や診断が、
ぜんぜんたいしたものではないように思えてくるのかもしれない

しかし、CTやエコーでえられる画像には、ひとの体温が感じられない。
たんなる冷たい画像でしかない。

人間が人間であることのひとつが、手を使うことではなかったのか、
手で触ること、手で感じることで、多くのなにかを知覚してきたのではなかったのか。

冷たいさめた情報を組み合わせてもしょせんはつめたい構造物しか組み上げられない。

その構造物に、体温を持たせる為には、やはり、ひとである医師自身が自分の手を
重ね合わせるしかないのではないかと思う。

2010年7月22日木曜日

患者さんのところにいかない研修医

先日、仕事の後輩と話したとき、最近の研修医は自分達のときとはずいぶんと違うという。
「患者さんのところにいかないんですよ」という。
???
患者さんに会わないで医療が出来るのだろうか。と、驚きを超えて???がいっぱい
お腹触らないで、CTとるだけなんです、という。

やれやれ、とおもった。
指導医の指導が悪い!とか、最近の若者はコミュニケーション能力が足りないからだ!
などというのは簡単だが
そういうことではない、医療自体の変化が、研修医を患者さんのもとから遠ざけている面が
あるように感じる

(つづく)